家から車で5分弱のところに、石正(せきしょう)美術館という市立の美術館があります。本館には、地元三隅出身の日本画家、石本正の作品を展示してあるほか、新館でいろいろな特別展が開催されます。
イタリアのフレスコ画が似合うような、かわいらしい建物です。
回廊。
まだ見たことはないけど、中庭の中心に枝垂桜・・・かな。
とっても落ち着く雰囲気です。
こちらに来てすぐ、美術館のサポーター(ボランティア)に申込みをしたものの、仕事と時間がかぶって、余り活動に参加できていません。展覧会の展示替え等のお手伝いをさせていただけるということなので、いつか参加したいなぁと思っています。
ところで先月から一か月間、初の彫刻作品の特別展ということで、(露出展示の作品がほとんどのため)監視員のアルバイトを募集していたので、仕事が休みの土曜日に行きはじめました。
展示室の隅っこの椅子に座っているという、あれです。が、私が担当させてもらったのが土曜なので、お客さんが半日の勤務中に5~60人という感じで、余りゆっくり座っていることはできません(泣)・・・お客さん、目が合うと話しかけてこられるし(笑)、土・日は作家さんも見えて、来られたお客様に説明をしていらっしゃるので、なかなか楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
木彫、彫塑、根付の作品などを作っていらっしゃいます。地元、島根県江津の作家さんです。とても、気さくな方で、私にもひとつひとつ、作品の説明をしてくださり、作品の奥に潜む“遊び”を教えてくださいました。とても面白い先生です。
ちょっと見えにくいけど、このチラシの表題の“ふる里で游ぐ”という文字がありますが、左下に印が二つ押してあります。
ひとつはこの文字を書かれた方の印。もう一つは何故か田中先生の印。
なぜか。・・・游ぐ、の“ぐ”の左側の点をよく見ると、オタマジャクシからカエルになろうとしている、シッポを付けた小さなカエルの悪戯書きになっていて、それが田中先生書だから、だそうです(笑)そういうチャーミングな遊びが、作品の素晴らしさの中に秘んでいるという。
江戸中期に盛んだった石見根付の復興を手がけられていたり、根付では、亡き高円宮さまと交流があったりされた方で、その作品は本当に素晴らしいです。
根付、とは、印籠とか煙草入れを着物の帯に引っ掛けるのに留め具として使われたのがはじまりで、小さな細工が、イノシシやカバの牙、象牙などに、ほどこされています。
見ても見ても見ても飽きない作品です。
来週までなので、興味のある方は是非。
私のアルバイトもあと1回。名残惜しいなぁ。彫塑は、短大のときやっていたので、個人的にも、先生とお話ししたいことはたくさんあるのだけど、ぐっと我慢。私も、木彫が大好きで・・・と言っても簡単なレリーフだけど、作りかけの作品が数点、家に転がっている。アルバイトに行くと、「よし!今日帰ったら続きをしよう!」と張り切るのですが、1日や2日では仕上がらず、そのうち集中が切れて、また何か月も放置、となるんだろな。この展覧会をきっかけに、仕上げまで集中して頑張ろう。